アスノンコート施工資料

施工前の確認事項

  • ●ビス、釘等で化粧板(アスノンコート)を施工することはできません。カケ、クラックの原因となります。
  • ●金具取り付けの際に、化粧板が変形したり、ビスが化粧板に触れると、クラックが発生する可能性があります。
  • ●金具を取り付ける場合は、化粧板に下穴を開け、直接下地と金具を固定するなどして、化粧板に負荷がかからないようにして下さい。
  • ●冬季等、低温で接着しにくい場合は、接着剤、両面テープを温めてからご使用下さい。
  • ●浴室には、使用できません。
  • ●常時水のかかる部位、あるいは高温にさらされる部位等、特殊な環境下での使用は避けて下さい。

施工方法

1.墨出し

2.割付け

施工図に従い、施工箇所の下地に化粧板の割付けを行って下さい。
割付けの際、下地の目地と化粧板の目地が重ならないようにして下さい。

ご注意!
【割付けに関して】

ドアや天井照明器具廻りの仕上げの際には、化粧板をL型状態に切り込むこと(図①)を避け、切り込みの無いような割付け(図②)として下さい。
室圧差による壁、天井の動きや、ドア開閉の衝撃、機器の振動により、切り欠き部分からクラックが発生することがあります。

3.化粧板切断加工面取り

■化粧板の加工(切断、穴あけ)

切 断

電動丸ノコを使用し、切断して下さい。
化粧板の裏面から丸ノコを当て、刃先が化粧板表面から裏面に抜けるように切断して下さい。
(化粧面は、プロテクター仕様ではありません。「キズ・打跡」には充分注意して下さい)
お手元のハンディソーに合った外形、刃厚でチドリ刃をご使用下さい。(又はなるべく刃数の多いチップソー)
メラミン不燃化粧板用のチップソーでも切断することができます。切れ味が悪くなった場合は、刃物を交換して下さい。

切断部の木口
・面取り加工

サンドペーパー等を使用し、面取りをして下さい。
面取りは各作業所にて所定の大きさに仕上げ、必要な場合、タッチアップマーカーや木口用塗料にて塗装して下さい。

穴あけ

ハンドドリル又は電動ドリルを使用して下さい。

開口部加工

割付け上、やむを得ず切り込み部が発生する場合は、図③のように金属板等にて補強して下さい。
例)厚さ0.8㎜×30mm×50㎜程度のサビ止めした鋼板をエポキシ系接着剤などで化粧板の裏に貼って下さい。
切り欠き(内コーナー)は、10R程度取るようにして下さい。
切断、穴あけ後は、サンドペーパーで木口を整えて下さい。

面取り方法

切断面はサンドペーパーに当木をそえて面取りして下さい。

ご注意!
【切断時に関して】
  • 化粧面を下向きにして切断する場合は、汚れやスリ傷にご注意下さい。
  • 切断時には粉塵が発生しますので、切断器具には粉塵吸引装置を設け、防塵マスク、保護メガネ等をご使用下さい。
  • 粉塵が目に入った場合はこすらず流水で洗浄して下さい。また、吸引した場合は、うがい等を行って下さい。
【アルミジョイナー取り付けに関して】
  • 化粧板をジョイナーに差し込む場合には、化粧板裏面に巻き込んでいる化粧シートを剥がして下さい。

4.化粧板の貼り方

  • テープ、接着剤併用工法にて、化粧板を貼ります。
  • テープ、接着剤は、下記に掲載の副資材または推奨品を用いて下さい。
    1. ①所定の位置に両面テープを貼り合わせ、強く押さえて基材に密着させます。
    2. ②所定の位置(両面テープのそば)に、接着剤を直径7㎜のビード状(線状)で塗布します。
    3. ③両面テープの離型紙を剥がして、下地に貼り合わせます。

※天井に施工する場合は、ハット型ジョイナーの併用をお勧めします。

■化粧板1枚当たりの材料使用量(化粧板910㎜×1820㎜)

使用箇所/使用材料 壁面 天井 反りが大きい場合
ピッチ 使用量(m2当り) ピッチ 使用量(m2当り) ピッチ 使用量(m2当り)
接着剤 300㎜以内 0.8本(0.5本) 220㎜以内 1.0本(0.6本) 200㎜以内 1.4本(0.9本)
両面テープ 450㎜以内 5.4m(3.3m) 300㎜以内 7.2m(4.3m) 450㎜以内 6.6m(4.0m)

■施工部材:両面テープ・接着剤・シーリング

品名 品番 製品 規格 備考
接着剤 MS-100 変成シリコン樹脂系・弾性タイプ 333ml カートリッジ F☆☆☆☆
両面テープ SR-10 仮固定専用両面テープ 1.1×20mm×10m
シーリング SK-330□□ 1成分形シリコン系シーリング 333ml カートリッジ F☆☆☆☆

■施工用資材推奨品

【接着剤】
  • ボンドMPX-1(コニシ株式会社)
  • ボードロック315/SF(セメダイン株式会社)
  • MK-720(株式会社タイルメント)
【両面テープ】
  • TMテープW1-20(コニシ株式会社)
  • ボード・パネル用テープ(セメダイン株式会社)
  • ボードタック(株式会社タイルメント)

5.化粧板の貼付け

化粧板の位置を決めた後に、両面テープの位置を手で押さえこむようにして、化粧板を十分圧着させて下さい。
30?40分経過後、再度表面より十分に圧着して下さい。

ご注意!
  • 貼付け前に、下地に凹凸がないことを確認して下さい。
  • ゴムハンマーなどによる圧着は避けて下さい。
  • 手で勢いよく、化粧板を下地に押しつけないで下さい。

6.目地の処理

■目地材による目地の処理

目地の間隔は、5㎜として目地材(コーキング材等)で仕上げて下さい。
水道の取り付け孔は、下地への水まわりを防止するため、目地材で確実に防水して下さい。

①マスキングテープ貼り

下地面に付着しているゴミ、油分、汚れなどをシンナーなどを浸したきれいな布でふき取り、十分乾かして下さい。
目地の仕上がりをきれいにするため、化粧板の縁にマスキングテープを貼り付けます。
テープの粘着剤が被着面を汚したり、残ったりしないものを使用して下さい。

ご注意!

化粧板端部の面取り部分にまで目地材がいきわたるよう、テープの貼り位置を調整して下さい。化粧面に少しかかるようにして下さい。

②目地材の充填

カートリッジガンで目地材を充填します。ノズルを目地に押しつけるようにして、目地材をすみずみまで十分に充填します。
※目地材は目地が黒ずまない防カビタイプで耐水性に優れたものをご使用下さい。

③ヘラ仕上

ヘラ仕上げを行います。
※内部まで目地材がゆきわたるように十分に押さえて平らに仕上げて下さい。

※マスキングテープを除去する主なやり方として、木材の切れ端に巻きつけながら取り除く方法が用いられています。

④マスキングテープの除去

ヘラ仕上げが終わり次第、マスキングテープを取り除きます。目地材が付着していたら綺麗な布で拭き取って下さい。

⑤目地養生

目地養生(20℃1日)させて下さい。
目地材が硬化するまで、触れないで下さい。

ご注意!
  • 下地に水がまわらないように目地材は確実に充填して下さい。

■ジョイナーによる目地の処理

ジョイナーの差し込み部分には、あらかじめ目地材(コーキング材等)を注入して下地への水まわりを防止して下さい。ジョイナーは弊社推奨ジョイナーをご使用下さい。

【施工手順】
  1. ①ジョイナーの差し込み部には、あらかじめ施工用接着剤または、シリコーン系目地材を充填します。
  2. ②ジョイナーに化粧板を差し込み止め付けます。必要に応じてジョイナーは釘で固定して下さい。
ご注意!
  • 下地に水がまわらないように、ジョイナーの差し込み部分には必ず目地材等を充填して下さい。

7.養 生

取り付け後、24時間以上静置して下さい。

ご注意!
  • 養生シート等の貼り付けの際には、ガムテープ等強粘着のテープは使用しないで下さい。

8.清掃 片付け

化粧面の汚れは中性洗剤によりウエス等で拭き取って下さい。
残材は、作業所管理者の指示に従い処理して下さい。

9.自主検査

施工中及び施工終了後に、下記の品質管理チェックポイントを定め、自主検査を行って下さい。

項目 チェックポイント チェック方法

化粧板の外観

  • (カラー)
  • (つや)
  • (汚れ)
  • (損傷)

 

  • 色違い / 色むら
  • つや違い / つやむら
  • 接着剤による汚れの付着
  • 傷 / クラック

 

  • 目視
  • 目視
  • 目視
  • 目視

化粧板の接着不良

  • 中央部の膨らみ
  • 端部の浮き
  • 目視 / 反響音
  • 目視 / 反響音

目地

  • 目地幅 / 段差
  • 目視

ジョイナー外観

  • (カラー)
  • (つや)
  • (汚れ)
  • (損傷)

 

  • 色違い / 色むら
  • つや違い / つやむら
  • 接着剤による汚れの付着
  • 傷 / クラック

 

  • 目視
  • 目視
  • 目視
  • 目視

ジョイナージョイント

  • 隙間 / 段差
  • 裏面シーリングの浮き
  • 目視
  • 目視

10.完了 引渡し

■クリーニング方法 化粧板の日常のクリーニングは、以下の通りに行って下さい。

【日常のクリーニング方法】

柔らかい“ウエス”か“スポンジ”で水拭きをした後、水分を拭き取って下さい。または、中性洗剤を水で薄めたもの(中性洗剤:水=1:100程度)で軽く拭いた後、水拭きを行い、水分を拭き取って下さい。

ご注意!
  • 磨き砂、金属たわし、ナイロンたわし、研磨剤入り洗剤は、傷やつや変化の原因となりますので、使用しないで下さい。
  • 殺菌洗浄する場合には、カタログのテクニカルデータに記載されている、耐薬品性の試験結果をご参照下さい。
  • カタログのテクニカルデータは参考値ですので、ご使用にあたっては十分なご検討をお願い致します。
  • 汚れが取りにくい場合は、無理に乾拭きせずに水拭きや中性洗剤で拭き取り下さい。乾拭きで強く拭くと、つやが変わります。

■落ちにくい汚れに対するクリーニング方法 落ちにくい汚れについては、以下の方法を参考にして下さい。

汚 れ クリーニング方法
鉛 筆 上記、日常のお手入れより濃くした中性洗剤(1:20~50)で拭き取り、水拭き後、水分を拭き取って下さい。
手 垢 同上
水性マジック 同上
油性ボールペン 無水アルコールで軽く拭き取り、水拭き後、水分を拭き取って下さい。
油性マジック 同上。又は、上記で落ちない場合、アルコールの代わりにシンナーを使用して下さい。
靴 墨 同上
クレヨン 同上
口 紅 同上
マニキュア 同上。又は除光液で拭き取り後、水拭きし、水分を拭き取って下さい。
ご注意!
  • 汚れが落ちない場合に強く拭くとつやが変化する場合があります。
  • アルコール、シンナー、除光液で表面を擦るとつやが変わります。
    汚れを取るために使用せざるを得ない場合は、部分的に使用し、軽く拭き取って下さい。

■保管に関する注意事項

  • ●直射日光や湿気の多い場所を避け、風通しの良い屋内に保管して下さい。
  • ●地面への直置きは避け、平らな場所でパレットなどの上に平積みして下さい。壁などに立てかけると、反りやクラックの原因になりますので、絶対におやめ下さい。
  • ●反り防止のため、平積みの一番上の板は化粧面を下に向けて保管して下さい。また、製品の上にはあて板を置いて下さい。
  • ●傷つき防止のため、保管の際は表面を合わせ、間に台紙を挟んだまま保管下さい。奇数枚になる場合は、化粧面を下になるように積み、一番上には保護用の当て板を載せて下さい。
  • ●パレットには、製品の荷重に耐えうる十分な厚みの敷板を使用して下さい。

■持ち運びに関する注意事項

  • ●鋭角な器物との衝突や角当ては損傷の原因となります。
  • ●持ち運ぶ際には、2人作業で化粧板がたわまないように、立てて持ち運んで下さい。
  • ●化粧板は引きずるとキズの原因となります。
  • ●化粧面の一部を支点として取り扱わないで下さい。支点の化粧面にクラックが入ることがあります。
  • ●化粧板はたわむとクラックの原因となりますので、ゆすりや振りまわしはしないで下さい。

■その他の注意事項

①使用場所に関する注意
  • 常時、水分に接するような使用は避けて下さい。
  • 凍結する可能性がある場所には使用できません。
  • 玄関、トイレ等の水に浸される可能性がある場所に施工する場合には、化粧板はたたきから50㎜以上上げてお使い下さい。また、基板に水が浸入しないように処理して下さい。
  • 天井への施工は、910㎜×1820㎜(3'×6')板までとし、安全のため2人作業として下さい。

※注意:浴室内には使用しないで下さい。

②施工時、作業時に関する注意
  • 高所作業での足場の確認及び安全帯使用を徹底して下さい。
  • 局部荷重や衝撃により割れることがありますので、重量物を載せたり上に乗ったりすることはお避け下さい。
③廃棄時に関する注意
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき許可を受けた業者で適正な処理を行って下さい。

■火気使用場所に施工する場合の注意事項

ご注意!

火気設備の周囲に施工する場合は、防火上の規制に従って施工して下さい。

火災予防条例により、専用住宅、共同住宅等に設置される火気設備(コンロ等)の周囲は、構造規制されます。次のことを参考にして施工して下さい。

  1. (1)ガスコンロ等を設置する場合、上方は1000㎜以上、側面及び背面は150㎜以上、化粧板から離して下さい。
  2. (2)コンロの側面及び背面から化粧板まで150㎜以上離せない場合、化粧板とコンロの間に防熱板を設置して下さい。防熱板は、コンロから50㎜以上離して下さい。

ガスコンロと化粧板との距離が近いと、コンロの熱や、加熱された鍋やフライパン等が触れることで化粧板の表面に変色や焦げが発生する場合があります。特に業務用コンロの場合は強い火力が予想されます。コンロ側面、背面と化粧板とは200㎜以上間隔を取るか、防熱板を設置して下さい。以上の条件を満たしても、火が直接化粧板に当たらないようにご注意下さい。(変色や焦げが発生しても不燃性能には影響ありません)
※コンロの周囲の壁面構造も各自治体の火災予防条例などにより規制されますのでご注意下さい。

■免責事項

  1. ①本施工資料に記載した取扱い注意事項が行われずに発生した不具合
  2. ②施工業者による施工、取扱いに起因する不具合
  3. ③建物の構造・振動・下地の変形・老朽化等、弊社の製品以外の外的要因により発生した不具合
  4. ④使用者もしくは第三者の故意または過失による不具合
  5. ⑤引き渡し後、構造・性能・仕様等の改造を行い、これに起因する不具合
  6. ⑥地震・台風等の天災、火災等の特殊要因により発生した不具合

ページの先頭へ